今回はBirdyのオーバーホール。「プジョーパシフィック」当時プジョーにOEM供給されていた2000年以前の初期型モデルですね。

フレームが2分割、フロントフォークが2分割されるので、ちょっと手間がかかります。磨いてきれいにします。リアのピボットのローラーベアリングもきれいにして、グリスアップ。

やはり樹脂系のパーツは経年劣化で割れていたので交換。リアスイングアームを固定する樹脂パーツ「フィッシュボーン」は2000年モデル以前か2001年モデル以降かで形状が変わります。これは2000年以前のもの。Birdyは樹脂の専用パーツが割れていることが多いですね。当店、今のところ取り扱いはないのだが、ここらへんはネットでまとめ買いしてストックしておくことに。
フロントスプリングとリアエラストマーは経年を考えると交換すべきだが、まだ使えそうなのでそのまま。後ででも簡単に変えられます。
リアメカもばらして洗浄。

フロントピボットのボルトは鉄で錆びていたため、オーナーの希望によりアルミに交換。
実はこれをつけるのは初めてだったのだが、少し削ってやらなければ入らなかった。やはりサードパーティ系は要注意。いつも思うのだが、なぜこのフロントピボットにはベアリングが入ってないのだろう。リアはちゃんと入ってるのに。ベアリング入りのボルトもあるみたいなので、これもサードパーティだが試す価値ありかも。
後ホイールはハブを変えて組みなおし。
実はもともとリアのスポーク折れで持ち込まれたこのBirdy。話の流れでオーバーホールになったのだが、もともとの問題を改善すべく、ここはできるだけ手を加えて強化しました。
昔のは36Hハブに24Hリムで無理な組み方してるから、スポークが折れやすい。今みたいに24Hハブや36H小径リムなど、いろいろなチョイスがなかった時代だからしょうがない。



ハブ側は通していない穴がありそれぞれのスポークが均等に出ていないが、リム側は均等に入っている。スポークテンションが均等にならないので、無理があり折れやすい。
今のBirdyは36Hハブに36Hリムで均等に組まれている。モノがなかった時代はいろいろ工夫してやっていたのだ。

ホントは36Hハブに36Hリムで組むのがベストなのだが、たまたまシマノ完組ホイールR500からとった24Hハブがあったので、リムはそのままで、これを使うことに。正直、小径ホイールはスポークにかかる負担が大きいので、ガンガン乗る人は最低でも32本で組んだほうがいいです。
幅130mmのロードバイク用ハブを135mmにするため、スピンドルを長いのに変え、左に5mmスペーサーを入れる。強度アップのため、直径が0.3mm太い13番スポークで組みました。
161mmと165mmという短さの13番スポークは市販されていないので、一本ずつカット、ネジ山をたてました。

フロントも同じようにすべきなのだが、リアほど負荷がかからないのと、今まで20年以上特に問題なく動いているのでこのままに。
私はオリジナルに欠陥があるとは思っていません。その時あるもので工夫してベストを尽くす。工業製品はそういうものです。それが少なくとも数年以上問題なく動けば、それは全然OKです。モノはいつか壊れます。そもそも完璧の定義なんてありません。こういう昔のをアーカイブとして楽しめるぐらいの心の余裕が大切です。

ヘッドもきれいにして、ガタのあったBBも新品に交換。

スタンドは寝すぎていた角度をオーナーが気にされていたので、固定ネジの穴をずらし、できるだけ立たせました。
クランクのボルトも錆びていたので交換。
Birdyは愛好家が多く、長いこと大切に乗られることが多いですね。いいことなのですが、オーバーホールする前にフレームのクラックに気を付けなければなりません。今回は見受けられませんでした。おもしろい構造がゆえ耐久性が比較的劣るのが特徴なのですが、個人的には愛嬌があって好きな車種です。
コメント
ありがとうございました。
お陰様ですっかり別物の乗り心地の良さで、驚いております。感謝感激です。
今後もこの愛車を乗り続けます。
色々とお世話になりますので、何卒よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
そう言っていただくのが、何よりもうれしいです。
遊び心あふれるBirdy、触っていても楽しかったです。
何かありましたら、いつでも遊びに来てください!
よろしくお願いします。